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「ん~・・・」
スクロールしながら流し読みしていると、ふとある報告書に目が留まる。
「・・・あれ?なんか、これ・・・変、かも・・・?」
そうしてもう一度最初から読み直し始めた。
「そうか!成程ね・・・やっぱり、『クロウ』の仮説は当たってたかも。これじゃ情報筒抜けになってても仕方ないね・・・全く、警察も何やってんだか・・・」
プリントアウトした報告書を何枚か見比べ、一人愚痴った。
盛大に溜息を吐き、携帯端末を取り上げると昴はどこかに電話を掛ける。
『もしもし?昴か?』
「うん。ウチだよ!今大丈夫?」
『嗚呼。今は休憩中だ。しかし、久々だな?「カラス」とは相変わらずか?』
「久しぶりだね。大ちゃん。うん、静とは相変わらずだよ。無理難題な仕事ばっかりくれるの」
部屋のカーテンを開けながら電話の相手に楽しそうにする彼女は、世間話も程々に、本題を切り出した。
「で、あのね?今日電話したのは大至急用意して欲しいモノがあ…『鴉(カラス)とのプレイ用のを用意しろとかなら断るぞ?』」
「違う!!何でウチがそんな事頼まなきゃなんないのよ!!馬鹿ぁ!!大ちゃんの変態!変人!!」
『何だ?違うのか?』
「違うわよ!っていうか、どうして静とのこと・・・」
『見てりゃわかる。隠してると思ってるのは本人たちだけだ。否、鴉は違うな。俺たちが知ってるのを知ってて態と必死で隠してるつもりのお前を見てニヤニヤしてたからな・・・知られてないと思ってるのはお前だけだわ。やっぱ』
「うそ?!・・・じゃない!!もう、大ちゃんのせいで話がそれた!」
『ヘイヘイ。で、何だ?』
「仕事が入ったの。何時もの用意してくれない?」
電話の相手、QUEENのメンバーである黒沢 大輝(クロサワ ダイキ)にクツクツと笑われつつも昴は話を元に戻す。
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