ACT. 2 烏の頼みと鶚の頼み

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  『仕事?どこからの依頼だ?』 「『KING』」 『キング?何だよ、やっぱり鴉(カラス)絡みじゃねーか』 「内容は大ちゃんと違って真面目です!『KING』の『クロウ』に正式に雇われたんだから!」 『相変わらず、冗談が通じねーなぁ?昴は。で?俺は何時ものを用意して、何時もの場所で渡しゃいいのか?』 「うん。今回は手ごわくてね。自分で入ろうと思うの・・・」 『・・・ソレ、鴉は許したのか?』 「だいぶ迷ってたから、一喝して仕事奪ってきた」 『お前な・・・』 「冗談よ。無茶するなってクギを刺された。でも、外からじゃ埒があかない」 『・・・分かった。こっちもできる限りのサポートはする』 「有難う。あと、有難うついでに武(タケル)ちゃんにも話といてくれない?」 『おい、何でそこで俺の妹が出てくる?』 怪訝そうな声で聴き返す大輝。 昴は電話の向こうで眉間にシワを寄せるシスコン男の顔を思い浮かべ、小さく笑った。 『・・・おい、何笑ってんだよ・・・』 「いーえ、何でも。ただ、嫌なら別に大ちゃんでも構わないよ?って思っただけ。その代り、面倒なことになるかも。大ちゃん、面倒事嫌いでしょ?」 『・・・武が変なことに巻き込まれるよりはマシだ。鴉の依頼を受けると、何時ももれなく面倒事、ロクでもない事態がくっついてくる・・・』 「『クロウ』だってくっつけたくてくっつけてるワケじゃないよ・・・何故か何時もそういう方向に事態が向くだけ。彼のせいじゃない・・・」 『わーってるよ。だから「俺がやる」っつってんだろ?』 何処か諦めた様に告げる大輝に、昴は苦笑すると言葉を続ける。  
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