ACT. 1 KING

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足音の方向に静が視線を向ければ、水着並みに布面積の少ない赤い露出度の高い服にデニムのショートパンツ、そして黒のパーカーを羽織った赤いネイルの茶髪の女と黒いワイシャツに黒いスーツのパンツ、黒いコート、右脚の太腿の位置に赤いバンダナを巻いた赤と黒のオッドアイの男がいる。 「はぁ~あ、何だ?もう来たのかよ・・・『イーグル』、『キティ』」 「何よ、私達を呼んだのはアナタのほうじゃない。『クロウ』」 「あー、ハイハイ。そーでした」 溜息混じりに静が云えば、『キティ』と呼ばれた女…猫飼 友希(ネコカイ ユウキ)がむくれて答えた。 その返答に適当な相槌を打ちつつ、オッドアイの男…鷲塚 鷹雄(ワシヅカ タカオ)と一緒に有留伏の隣に腰掛ける彼女に視線を向ける。 「・・・何?」 「否、そんなカッコで寒くねーのかな?って思っただけだ」 怪訝そうな友希に肩を竦めて見せながら静は三人と自分の目の前にアルコール分を飛ばした『ミリオン・ダラー』のグラスを置いた。 「・・・『クロウ』、そろそろ始めよう。お前も早く店開けたいだろ?」 「そうだねぇ・・・じゃ、始めよっか・・・」 ―― 盗難品専門怪盗集団『KING』のブリーフィングをさ ―― 静はそう云って、ニンマリと口角を上げた。  
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