迫り来る波

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すると、美鈴がペシンと私の額を叩いた。 「なに言ってんの?私が愛の心配しちゃいけないの?悔しいけど、隣で苦しんでる愛の気持ちを安心させてあげられるのは、私じゃできない……ごめん」 眉尻を下げて、申し訳なさそうに頭を下げる美鈴。 「や。美鈴謝らないで。だって、美鈴が悪いんじゃない……私が…強くないから……」 その先の言葉は、涙を堪える方が優先されて出なかった。 ギュッと美鈴の手を握り返すと、やっと頭をあげてくれた美鈴。 「愛が西村を好きになってから、スゴく綺麗になったよ。だから、その気持ちは間違いじゃない。 皆とは少し違う恋だけど、それを乗り越えた人はたくさんいるんだから、愛にも乗り越えて欲しい」 「美鈴… …」 ポンポンと優しく頭を撫でられると、堪えていた涙がポロポロとこぼれ落ちた。 「全く!私のかわいい愛をこんな乙女にさせて知らぬ顔は許さん!」 そう言って私の手を取りズンズンと保健室へ歩き出した美鈴。 ノックすることも忘れ、勢いよくドアを開ける。
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