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我慢といえば、学校での生活でも胸がチクリと痛むような光景を良く目にする。
仁ちゃんのファンが日を追う毎に増えていて、用もないのに保健室に通う人たちがいる
だから、休み時間の保健室は『満員』なんてことも少なくない。
最近は、3年生のお姉さん達が仁ちゃんのファンクラブの元締めみたいになっていて、やたらと仁ちゃんに近づく人たちに目を見張ってるから、廊下にまで人が溢れ変えるってことはなくなったけど………
それでも、お姉さん達の隙を見て仁ちゃんにアプローチする子も少なくない。
だから、学校で仁ちゃんと二人きりになるなんてできない。
それどころか、大胆にも『当たって砕けろ作戦』に出る子までいて、仁ちゃんに抱きついている場面に遭遇したことが何度かあった。
そんな時は、目を逸らすし、もしかして、あの子の方が良くなっちゃたりするんじゃないかって不安にもなる。
だけど、仁ちゃんはそんな私の不安を丸分かりのようで、「おやすみ」の前には必ずギューっと抱き締めながら「愛好きだよ」って言ってくれる。
その一言でちゃんと安心できるんだけど………やっぱり、文句も言いたくなる。
でも、言えない。
そんなモヤモヤする気持ち。
お互いに気持ちが通じあってるのに、こんな不安な気持ちになるのは、私が仁ちゃんを想う気持ちが足りないのかな?なんて、自己嫌悪に陥ることもしばしば………
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