迫り来る波

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迫り来る波

私と仁ちゃんの秘密の付き合いは順調だった 下宿のみんなには、仁ちゃんが上手く伝えてくれたお陰で、暖かく見守ってくれている。 一番反応が怖かったおばあちゃんも 「一度しかない青春を楽しみなさい」 と笑って 応援してくれた。 だけど、仁ちゃんには 「仁だから任せるんだからね。お前を信用してるってことだからね」 と、しっかり釘を刺したらしい。 仁ちゃんが後から教えてくれた。 だから、私と仁ちゃんの間でいくつかルールができた。 私の部屋に仁ちゃんを入れないのは、その一つ。 『そこは、ケジメをつけたいから』 らしい。 私が仁ちゃんの部屋にはいるのも、8時まで……なんて、小学生の門限のような決まりもある。 『今どき、そんな真面目に付き合ってるカップルは、中学生だっていないよ』って美鈴には笑われた。 だけど、仁ちゃんは先生で、私は生徒。 何かあったら、仁ちゃんは先生を続けられなくなる。 だから、多少窮屈でも我慢しなくちゃいけないんだと思う…… ううん。 そう言い聞かせてる。
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