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「受験番号、1262、嬉野琥珀です。
よろしくお願いしまみょっ...す。」
噛んだ。最後で噛んだ。
なぜそこで噛んだ俺。
俺はこの時のことを
今でも後悔している。
たまーに枕に顔を埋めて
足をバタバタさせたくなる。
よくこれで受かったものだ。
案外うちの高校もこういうところは
見逃してくれるようで。
こんなド緊張の中なんとか事を進められたのは
教室でたまたま前の席だった
イケメンのある一言があったからだろう。
『お互い頑張ろうな』
そう言ったのは、髪は星のように輝く黄色で
口元は春を思い出す桜のようなピンク色
そして何よりもピアスと同じ色の夜空のような
深い深い青の瞳ーーーー.........
......いや、ピアスのあいつが落ちなかったんだから
俺も落ちるはずがないよな。
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