第1章

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「え? 嘘、やり方、知ってるの? どうやったの?」 「いや、それがさ、その鳥居様をやった子達がさ、戻ってこなかったんだって、放課後の教室に残ってやってるのを、同じクラスの子が見かけたのが、最後、警察沙汰になってらしいよ」 「え? 嘘、ヤバくない? それって事件か事故のどっちかってことでしょ?」 友達は嬉しそうに言った。噂話を切り出した女の子も、同じように笑う。 「でさ。そのとき鳥居様の様子、撮影してたんだって、こっそり貰って来ちゃった見てみる? 私も見てないからさ」 「いいじゃんそれ。早く見ようよ!!」 女の子達はキャアキャアと騒ぎながらビデオカメラのスイッチを入れた。 【以下、ビデオカメラの映像】 とある高校に四人の仲良しな女の子がいました。彼女達はいつも同じ時間を過ごしていました。退屈な日々に飽き飽きしていた彼女達は、クラスでも大人しい、和子(カズコ)を苛めることにしました』 薄暗い教室の中で一人の女の子がビデオカメラに向かって語りかけている。他に何人かいるのか、クスクスと笑い声が聞こえてくる。 『和子は大人しく、根暗だったため友達がいませんでした。いつも一人っきりで本を読むような子でした。四人組の一人が言いました。 「ねぇ、和子、隣のクラスの宮川がさ、あんたに話があるんだって、放課後、体育館の倉庫に来てくれってさ」 和子は困惑したような顔をして、もごもごと何か言いましたが、聞き取れませでしたけど、彼女が何を言おうとどうでもよかったのです。 隣のクラスの宮川が呼んでいるなんて、嘘でしたから四人は放課後になり、和子が体育館の倉庫に入っていくのを見ると外から扉を閉めて鍵をかけました。ドンッ!! ドンドンッ!! 中から和子の悲鳴に似た声が聞こえました。四人組は、そんな和子をゲラゲラ笑いながら帰ってしまいました。 四人はこう思っていたのです。どうせ、誰かが開けてくれるだろうと、十分くらいしたら大丈夫だと思っていました。それが間違いだと気づくのは翌日のことでしす。異臭に気づいた教師が体育館、倉庫の扉を開くとそこには恐怖のあまり、目を見開いたまま、死亡している和子がいました。
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