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「信長様にとってわたしはさぞ、あわれでしょう。
正室、正室といわれながらも
その実態はただのお飾り
陰でわたしのことを笑っておいでなのでは?
たくさんの側室をそばにあげ、
子を産ませ、
そのくせ、正室のことは抱きもせぬーー
よほど、わたしのことを嫌いと見えまする
それなら、城内にいいふらせばよいではないですか?
“俺は濃に女として魅力を感じない、
ゆえに濃は、いまだに生娘である“とーー
さすれば、わたしは城内の笑われ者
信長様、もっとおもしろき状況が生まれぬのではありませんか?
迷信を、言い伝えを信じるふりをして、
今宵もわたしのことを女として扱ってはくださらぬーー」
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