第6話 今宵、俺が守る

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「信長様にとってわたしはさぞ、あわれでしょう。 正室、正室といわれながらも その実態はただのお飾り 陰でわたしのことを笑っておいでなのでは? たくさんの側室をそばにあげ、 子を産ませ、 そのくせ、正室のことは抱きもせぬーー よほど、わたしのことを嫌いと見えまする それなら、城内にいいふらせばよいではないですか? “俺は濃に女として魅力を感じない、 ゆえに濃は、いまだに生娘である“とーー さすれば、わたしは城内の笑われ者 信長様、もっとおもしろき状況が生まれぬのではありませんか? 迷信を、言い伝えを信じるふりをして、 今宵もわたしのことを女として扱ってはくださらぬーー」
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