第6話 今宵、俺が守る

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「濃… そなたのことは誰よりも信頼している そなたの聡明さに、俺は助けられてきた そなただから言う、俺は、今川相手に籠城なぞしない 籠城しても援軍はなく、 滅びる道しかない 撃ってでようと思うが いまだ決心がつかぬ、自分の中に迷いがある 良き策があるが、それをやる自信が足りない そのうえ、家臣の裏切りがあれば、 今川に撃ってでることすらかなわない 今宵、影が織田を裏切ろうとしている家臣はいないと報告したならば 撃ってでる 策はいまだ危ういものであるが… 戦の前には血の穢れを流す女とは、触れ合ってはならぬ、というのが武士の掟 決心が固まり、明日、撃ってでるとするならば 今宵、女の体に触れることはできぬ」
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