第10話 最後の願い

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「そなたの父・斎藤道三が言っておった、 常在寺の住職がそなたが生まれたときにつけた名だと だが、道三殿が気に入らず、 美濃の姫、濃と呼ぶようにしたとか 蝶という名は、まるで空にでも飛んでいきそうで、 早くいなくなりそうで恐ろしく、その名を封印したと、 道三の親父殿は言っておった だが、城という囲いから飛び立ち、 武家の囲いから飛び出すお前には蝶に帰っても、もうよかろう ゆえに、帰蝶という名をお前に授けたい」
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