第10話 最後の願い

8/22
前へ
/22ページ
次へ
「そのようなものにございましょうか…?」 「そなたは阿呆だ… だが、俺も濃を利用させてもらってきた  それがお前を傷つけることもすべてわかっていたが… 織田が生き残るため…その選択は間違ってはいなかったと言える 濃には最大限の救いを与えたい… まずは住まいだが、妙國寺に身を寄せよ、金はいくらでも岐阜から送る 妙國寺はこれまでも織田から寄進してきた 身を寄せるのに問題ない… 必要ならばそなたの屋敷を建てよう… 身の回りの世話は、織田家の侍女を引き続き遣わす また、忍の影も引き続き濃つきの忍として、織田家から禄を遣わす これにはいかなる否も認めん…よいな、濃?」 ーーどうして、正室から降りたいなどというわたしに優しさをむけるのですか…?
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加