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「ここでは帰蝶と名乗っております」
「はい、伺っております
今日は一度会わせたかったものを連れてきました
我が妻・・・安です」
遠くに控え目にわたしに頭を下げた
「稲葉一徹殿の息女ですね」
「はい、
濃姫様の妹であった朋がみまかったのちに、
継室として嫁いできてくれました
ちょうど、堺に用事があったため、
連れてまいりました
安もずっと濃姫様にお会いしたいと申していてーー」
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