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「何でよりによって、相談する相手の第一候補に森川があがってきちゃうんだよ、まじで。もっといるだろ、その話題にふさわしい奴がさ。」
「森川君しか思いつきませんでした。」
だって森川君が一番話しやすいし、後の人達…本当に怖い…ピアス何個開いてるんだろうって思うし、内君なんて舌にも開けそうな勢いだし…舌ってそういうの為にあるものではないのですよ、内君…なんて直接言ったら、あの眼光鋭い瞳でずたずたにやられるに違いない。でも、優さんは内君の彼女は黒髪だと聴いた事が…でもきっと勝ち組タイプの黒髪さんに違いな…
「夕さ、前からちょくちょく思ってたことあんだけど、今聞いていい?」
「はい。」
「絶対にタイプだろ?森川の事。」
「それは違います。」
よし、ちゃんと即答できた。タイプはないのですよ、優さん。
私はきっと、恋をしたことがないから、好きなタイプとか好きな仕草とか、そういう履歴がないのです。ブラウザバックできないんです、何もないんですから。だから、ちゃんと知って欲しい。私のOSの更新は、優さんの指示一つで決まるのですよ。
「じゃあ、もし俺と森川の二人が目の前から歩いてくるとします。ねえ、想像してよ。それで、夕はどちらかに絶対に話しかけなければなりません。さあて、山下さんはどちらの男性に声をかけますか?」
「…」
「タイムリミットは1分だよ。」
「決まりました。」
「あ、早いな。どっちかな?」
「も…あ、宮下さんです。」
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