昇降口

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今の聞こえちゃったかな。でも、ちゃんと名字言えたし、きっと大丈夫だ。 幸運な事に、優さんは地獄耳ではないのだから。 「3つある。文句3つあるわ。」 「3つもですか?」 「あるある。本当は4つだけど、とりあえず3つにする。」 結構あるんですね、ペナルティ厳しすぎではないですか、優さん。 「優さん…」 「駄目。今触るのはナシ。今夕に触られてたら、きっと俺、全部許しちゃうから。」 「許さなくていいですよ。」 私の全部は、優さんのものだから。 「まず、その最初の“も”っていうのの言い分を聞きましょうか。」 やっぱり聞こえてたか…とりあえず何か上手い言い訳を考えなければ… 「名字で言おうとしたんです。でも、優さんのこといつも優さんって呼んでるし、そう言えば、森川君は名字で呼んでたなって思って、それ考えてたら“も”が出たんです。…すみません。」 「まあ、言い訳としては75点かな。」 意外と高得点なのではないですか?今回の古典の小テストも同じくらいの点数だったはず。でも、平均点は68点だから、あんまり…というか、全く喜べないんですけども。
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