昇降口

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「マイナス分は?」 「目を見てない。俺の目を見て言ってない。それは信用できませんよ、山下さん。」 「すみません…」 「2つ目ね。さっきから結構な割合で敬語なんだよね。俺さ、後輩から彼女さんにもう少し優しくしてあげたらどうですか?って言われたんだよ。それってさ、俺が怖すぎて夕を無理矢理彼女にしてんのかって思うじゃん。それってさ、彼氏として、男として…なんか淋しいじゃん。こんなに好きなのにさ…」 「え?」 「だって私は優さんを傷つけたんだから…」 私の全部は、優さんだけのものだから。 「え?いや、あの、まあ、俺も盗み聞きしてたわけだしそれはまじで申し訳ないっていうか…ごめんって!夕!なあ、ごめんな。」 「怒ってないですから。本当に。」 「じゃあさ、ちょっとお願いがあるんだけど。」 「何ですか?」 優さん。今日こそはいいよ、好きにしても。 「キス。ほっぺにして。」 「へ?!」 「聞こえない振りしないの。ほっぺにキスしてって言ってんの。はい。」 「だって人が…」 やばい状況になってきております。やばいですね、この状況は。とてもやばい。 今まで、“やばい”なんて言葉、こんなに使うことなかったのにな…
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