昇降口

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「俺って、夕の何?」 「…恋人です。」 「彼氏なわけでしょ?それは間違ってないよね?」 「はい。合ってます。」 「夕はさ、俺の彼女なわけじゃん。それは合ってるよね?」 「はい。合ってます。」 「付き合ったら、何するんだっけ?」 「抱き合います。」 「は?!!」 「え。」 何でそんなに驚くんだろう。やっぱり私じゃ…駄目なのかな… 「あ、いやいや、まあそうなんだけど、それはそうなんだけど、えっと…そうじゃなくてさ、今はそこまで飛躍しなくてもいいというかなんというか…」 「違うんですか?」 「いやいや、合ってるよ。合ってるんだけど、そういう答えが夕の口から…」 「私は魅力ないですか?」 「あるよ!もちろんあるよ!何言ってんの!」 「だって優さんまだ…」 「え?……えっと……いいの?」 「…」 いいよ。 「いやいや、この話はやっぱナシにしよう。お昼だし、昇降口だし、人来るし…」 「人来るのにキスしてって言ったの、優さんですよ。」 「それはそうでしたね…失礼しました。」 「行きましょう。日替わりパン、森川君に奢ってもらうんですよね、急がないと売り切れちゃう。」 「そうだった…え?夕それ何で知ってんの?」 やっぱ、優さんは鈍感なんだ。それなら私にも手はありますよ。 あなたをびっくりさせる、いい方法。 「私も地獄耳なんです。先に行ってます。」 「は?え?てか夕、廊下つっぱしって行ったじゃねーか。」 「隣のクラスに入ったんですよー!」 「ほんと可愛い奴。はあ、好きだわやっぱ。」 今日のお昼は、一段と楽しい時間になりそうです。
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