第1章

2/28
34人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
「コラァァァァァァァァァァア」 9月6日晴れ。 夏休みも終わり、 学校は早くも文化祭前夜ムードの今日この頃…… 「あの馬鹿っ一体どこ行ったのよ!! 隠れても無駄よ、早く出てきなさい!!!! このっバカ遥希ィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」 本日も、体育館がビリビリと元気に反響しております。 「あ~ぁ……相変わらず、 みっちゃんってば恐ろしいねー」 体育館から飛んでくる怒号に、私…梅乃 遥希(うめの はるき)は身を縮こませた。 その弾みか、茂みが微かに揺れる。 おっと、危ない。 「主役がいなきゃ、リハ出来ないじゃないっ。ちょっと?みんなっ、何ぼさっとしてんの!?早くあのバカを探して!!」 「「はっ、はいっ!!!」」 どこの女王ですのん、みっちゃん…。 って!? ちょい待ち、全員で私を探すとな? それはまずい。 ひじょーにマズイ。 ただでさえ、この学校は他より小さいんだから、こんな所にいればすぐに見つかってしまう。 こうしちゃおれん。 「ーー逃げねば」 私はあたりに誰もいないのを確認すると、ある場所へと足を向けた。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!