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「コラァァァァァァァァァァア」
9月6日晴れ。
夏休みも終わり、
学校は早くも文化祭前夜ムードの今日この頃……
「あの馬鹿っ一体どこ行ったのよ!!
隠れても無駄よ、早く出てきなさい!!!!
このっバカ遥希ィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」
本日も、体育館がビリビリと元気に反響しております。
「あ~ぁ……相変わらず、
みっちゃんってば恐ろしいねー」
体育館から飛んでくる怒号に、私…梅乃 遥希(うめの はるき)は身を縮こませた。
その弾みか、茂みが微かに揺れる。
おっと、危ない。
「主役がいなきゃ、リハ出来ないじゃないっ。ちょっと?みんなっ、何ぼさっとしてんの!?早くあのバカを探して!!」
「「はっ、はいっ!!!」」
どこの女王ですのん、みっちゃん…。
って!?
ちょい待ち、全員で私を探すとな?
それはまずい。
ひじょーにマズイ。
ただでさえ、この学校は他より小さいんだから、こんな所にいればすぐに見つかってしまう。
こうしちゃおれん。
「ーー逃げねば」
私はあたりに誰もいないのを確認すると、ある場所へと足を向けた。
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