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“初めまして”
枕元に来た彼。
私は戸惑いながらもそう書くと、彼は自然な動きで私の筆を奪って
“齋藤 一 以後、宜しく頼む”
横にそう並べた。
洗礼された字は、この時代の住人でない私の目から見ても、達筆であることがわかる。
並んだ私の字がすごく拙く子供っぽくみえて、なんとも言えない恥ずかしさに苛まれた。
“調子はどうだ”
“だいぶ落ち着いています。
身体の方はまだ動きませんけど”
“そうか、あまり無理をしない方がいい。
ここでの暮らしは慣れたか”
“はい。沖田さんにお世話になっているので、生活に不憫はありません”
そんな感じのやりとりを何度か
繰り返したところで、齋藤さんは隊務があるからと席を外した。
“甘いものは身体に良いと聞く。
総司と二人で分けるといいだろう”
小さな星屑の、かわいい置き土産を残して。
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