34人が本棚に入れています
本棚に追加
少しして、沖田さんの寝息が聞こえてくる。
つかれてたのかな…。
私が皆さんと話している時、ずっと隅で見守ってくれてくれていたから。
隊務と稽古で忙しいのに、その上私のお世話までしてくれている。
疲れも、溜まっていたんだろう。
いつにも増して、沖田さんの眠りは深いように思えた。
私も…寝よう。
明日はまた、きっと……
目を閉じた。
その刹那、
物音一つ立てずに、誰かが私の部屋に入るのを肌で感じた。
ーー誰、なに…っ
「……アンタか」
暗闇の中で、微かに聞こえた。
男とも、女とも判別できない、不思議な声色。
ただでさえ動かない身体が、一層に強張る。
ーー沖田さんっ
何かあった時にと、用意してくれた鈴。
手の届く場所にと、置いてくれていた。
私は、何処にいるかも分からない相手に気を張りながら、ゆっくりと手探りで鈴を探す。
最初のコメントを投稿しよう!