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「ーーふーん。どんな女かと思ったら、結構普通じゃん」
こんな奴に肩入れする奴らの気持ちが分からない、と、誰かは続けた。
ーー暗闇でも、私の顔がみえてるの?
「見えるさ。当たり前」
ーーっ??なんで、私の考えてること
「顔に出てる。ぜーんぶ。馬鹿面も程々にしとけっての」
ーーそんな、まさか。あり得ない。
「お前は見えてないんだな」
ーーあっ、生憎夜行性じゃないので。
なんなんだ、この人は。
まったく会話の意図が見えない。
この人が、掴めない。
まるで、手の中で転がされているような、そんな気さえする。
「なぁ、なんであんた此処にいんの?」
ーーそれは…
「出てってくんない?」
ーー…っ!?
「何その驚いた顔。当然だろ……出てけよ」
低くなった声に、ようやく見えない相手が男であることが分かった。
そして、私を冷徹な眼で、声で、態度で拒んでいることも。
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