第二章

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「ーーふーん。どんな女かと思ったら、結構普通じゃん」 こんな奴に肩入れする奴らの気持ちが分からない、と、誰かは続けた。 ーー暗闇でも、私の顔がみえてるの? 「見えるさ。当たり前」 ーーっ??なんで、私の考えてること 「顔に出てる。ぜーんぶ。馬鹿面も程々にしとけっての」 ーーそんな、まさか。あり得ない。 「お前は見えてないんだな」 ーーあっ、生憎夜行性じゃないので。 なんなんだ、この人は。 まったく会話の意図が見えない。 この人が、掴めない。 まるで、手の中で転がされているような、そんな気さえする。 「なぁ、なんであんた此処にいんの?」 ーーそれは… 「出てってくんない?」 ーー…っ!? 「何その驚いた顔。当然だろ……出てけよ」 低くなった声に、ようやく見えない相手が男であることが分かった。 そして、私を冷徹な眼で、声で、態度で拒んでいることも。
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