第二章

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拒まれたのは、これが初めてじゃない。 だけど 「黙りかよ。…悪いけど、俺に同情を誘っても無駄だから」 ここまではっきりとした拒絶は、初めてだった。 本当、ここに来てからというもの、初めての体験ばかりだ。 ーー私は、ここから出ることは出来ない。 「何故?まさか体が動かないからとか言うんじゃねぇだろうな」 ーー違う。 いや、違わない。 確かに私は今動けない。喋れない。 だけど、出て行かないのは、そんな理由があるからじゃない。 ーー私は、ただ 「俺たちは、あんたの御守りをする為にいるわけじゃない。…総司も、いつまでもあんたにかまけてもらっちゃ、こっちが困るんだ」 分かってる。 分かってるけれど。 「あんたにもし、総司の奴に恩を感じているなら…あいつのために、ここから出ていけ」
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