第二章

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「…あ”?んだよその目は」 また、だ。 今度は空気が張り詰められる。 肌を刺すような痛みすら感じる。 怖い。 ただそれだけだった。 「そんなに俺を疑うってんなら、此奴に聞いてみろよ。此奴の言葉なら、アンタは信じられるんだろうが」 不意に、視線を感じる。 暗闇で何も見えないはずなのに、私は声主と目が合った気がした。 彼は、嘘は一切言ってない。 私は、彼に何もされてない。 「……総司、分かってるよな。此処じゃ私闘は厳禁」 「貴方を斬れば、俺も…ですか」 御名答だという風に、口笛が吹かれる。 風のような、口笛だった。 そして、彼もまた風のような人だ。掴めない。掴もうとすると、するりと手の間をすり抜ける。 もちろん、どこに消えたのか、姿が見えるわけもない。 「何故……」 そう呟かれた沖田さんの言葉に、言葉を返すものは、誰もいなかった。 今度こそ、男はいなくなった。
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