第二章

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ーー 花が咲いた。 沖田さんが、外に出られない私を気遣って部屋に生けてくれた花だった。 私はそっと手を伸ばして、開いたばかりの花びらを撫でた。 「ーーそれにしても、随分回復しましたね」 言葉の代わりに返すのは、かすかな微笑。 沖田さんは、そんな私にまるで花が咲いたような笑みを浮かべてくれる。 「ーー」 あの夜から三日。 たった三日。 私の身体は驚くほどに回復していた。 食事は自分で食べられるし、壁に持たれながらではあるものの、立ち上がることもできた。 沖田さんの手を借りれば、歩くことだってできる。 そして、手先の細やかな針仕事でさえも、難なくこなしてみせた。 その回復ぶりは、沖田さんはもちろん私自信を驚かせるほどに。
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