第二章

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どかっと音を立てて畳に腰を下ろすと、欠伸を1つ零した。 へぇ…この人も欠伸とかするんだ…。ま、どんだけ性格悪くたって、人間だもんね。欠伸の1つや2つ… 「おい、何考えてやがるテメェ」 片頬を引き攣らせる藤堂さん。 なんでもないですよーと、舌を出して、私はそっぽを向いた。 ほんと、なんでこの人は私の考えてることがわかるのか…。 この人だけだ…こんなにも、私の感情に敏感なのは…。 私のことを一番気にかけてくれる沖田さんでさえ、文字を介さなければ感謝の気持ちも、何も伝えられないっていうのに …。 ほんと、なんでなんだろう。 「煩い」 ほら、まただ…。 また無遠慮に、私の頭の中を読んでくる。 「無遠慮なのは、お前だって同じだろうが」 「…!」 いつの間にか、距離を詰めらていた。 顎を掴まれ、無理矢理目を合わせられる。 藤堂さんは、沖田さんとも土方さんとも違う、独特な雰囲気をもつ切れ長の目をしていた。
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