第二章

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「先に無遠慮を仕出かしたのは、他でもないお前だろうがよ」 「…」 「何故、新選組に来た。どうやって総司を誑かした。近藤さんもだ。 それだけじゃない。最近じゃ、一くんや源さんも顔を出すそうじゃねぇか。」 彼の言葉は真実だった。 初めこそ、業務的な挨拶に顔を出す程度だった齋藤さんや井上さんが、暇を見つけては私にお菓子や書物を届けに来てくれるのだ。 どうして急に、2人が…と疑問はあったけれど、私を認めてくれたことが単純に嬉しくて。 理由を探ることはなかった。 「アンタ、どれほど俺たちをかき乱せば気が済むんだ。」 藤堂さんの指が、きつく顎に食い込む。 怖い。この人が、果てしなく怖い。 目を合わせられない。 合わせて仕舞えば…私は… 嫌だ、見たくない。 聞きたくない。叫びたい。 何もかも、壊してしまうまでに、暴れてやりたい。 しかし逃がしてくれない。 現実を見ろ、自分の立場を理解しろ、そしてすぐにここから出て行け。 藤堂さんは、いつも決まってそう言っていた。 飾りもせず、濁しもしない。 はっきりと、自分の言葉を口にした。 「忘れるな。 ここにお前の居場所はない」
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