第二章

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ーーー 「…っは!…はぁ、はぁ…はぁ」 ここ…幕末? じゃぁ、さっきのは夢? いや、そんなわけない。 あれは、実際にあったこと。 私、自分で自分の記憶の中を夢見てたんだ。 …というか、いつの間に夜になったんだろう。 藤堂さん、いなくなってるし。 私、あまりの怖さに気絶したとか? 情けない。 まぁ、本当に怖かったのは事実だけど。 静か…だな。 近くに沖田さんの気配はない。 夜勤、とか? 偉い人みたいだし、…仕事、多いのかな。 無理、してないといいけど。 ああ…喉が渇いた…水、水が飲みたい。 確か、庭に井戸があるって言ってたな。飲みたいな。 お水一杯でいい。 ジュースとか贅沢なんて言わない。 喉が渇いた。 誰か、いるかな。鈴を鳴らす。 しかし、誰かが来る気配はなかった。 こんな時、自由に動けたらいいのに… あれ、ちょっと待って… 「う、動ける…」
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