暗雲立ち込める

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次の日、テストだから。 といえば納得出来なくもない。 でも、やっぱりおかしい。 なんでこんなに殺伐とした雰囲気なんだ… まさか、昨日のあれか… なんか、聞きづれーな。 どーすっかな… っと、その前にテストだな。 「それじゃ、始めてください。」と 坪内先生の声で一斉にペンが動き出す。 カリカリカリカリという 音だけが響く。 そんな時間も終わり、今日のテストも終了。 健太は…? いた…! 「おい、健太!」 「どーした?」 「お前、なんか変だぞ? なにかあったか?」 「…ああ。」 浮かない顔をしている。 そして、小声になって言う。 「ここじゃ、話せねぇ。 ちょっと行こうぜ。」 「わかった。」 二人で教室を出ようとすると 友理が止めに来る。 「ちょっと健太! 説明しなさいよ!!」 いつもの少し抜けたような 口調ではない。 その声になにか尋常じゃないものを感じた。 それはクラスも同じで、クラスが静まり返る。 「あ?関係ねぇだろ。」 「関係あるもん!」 「ねぇよ!!」 「ある!!!!」 「ちょっと、二人とも落ち着け… 「とりあえず教室は勉強してる人もいるし、 一旦離れよう、な?」 二人は無言で睨みあう。 先に視線をはずしたのは健太。 「チッ、めんどくせぇな、 もういいよ、帰る。」 「ちょっと…健太!」 「うっせーな!黙れよ! こっちだっていろいろ気にしてる余裕ねーんだよ!」 おいおい、まじで昨日なにがあった? あの健太が、キレるのもおかしい。 それに健太を好きな友理が こんなに健太に怒ってる。
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