第1章

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「あっぶねー!」  急な後ろからの重力になんとか転ばないように踏みとどまれた。 「ごめん、・・・ねぇ、良かったら友達になってよ」  倉橋くんは振り返った俺の目をまっすぐ見つめてきた。  見返して1秒。 「断る」 「えー!!」 確かに友達1人は欲しいと心の中で嘆いた。ついさっき。 「どうせ、友達いないでしょ!?。何で断るの?」 「今、お前決めつけやがったな。それに俺はお前のことなんぞ知らん。知らない人とお友達になっちゃダメって小学校の時に習ったわ」 「高野伸一でしょ?。僕は倉橋太一。これでもう知り合いだよ」  か弱そうな倉橋くん、前言撤回。何、この強引な手法。つーか・・・ 「何で俺の名前知ってるわけ?」 「朝のショートホームルームで紹介されてたじゃん」 「ひょっとして同じクラス?」  いたっけ?。 「そうだよ。一番前にいたし」  教室を見渡した時、後ろの方ばかり見ていたので、前の人間には気を配っていなかった。 「あっ、お前にかまってたら、飯食う時間が減っっちまった。俺は食堂へ行く」  掴まれた腕を振り切って、俺は当初の目的の食堂へ10分も遅れて向かった。 「僕も行く。待ってよー」
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