第1章

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  食堂まで辿り着くのにこんなに長く感じた事はなかった。不本意ながら、自称友達、倉橋太一が俺の目の前に座っている。 「俺は断ったぞ」 「友達は多い方がいいよ」  俺の拒絶の言葉にも動じず笑顔で返された。・・・可愛い。って違う違う。 「他にも友達候補たくさんいるだろ、何で俺なんだよ」 「・・・・友達候補なんていないよ。僕友達いないから」  うーん、突っ込みにくい。なんと言ったらいいかわからず痒くなったほっぺをボリボリ掻きながら、先を話始めるのを待つ。 そういえば、昨日腫れてたほっぺは佐倉の冷えピタによりなんとか引っ込んだ。しかし痒い。  倉橋は昼ご飯のオムライスを崩しながら、つまらなそうに口を開く。俺もマスクを顎にひっかけ、日替わりランチA定食に手をつけた。
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