第1章

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「僕、ずっと女の子になりたくて」 「ぶっ!!」  俺は味噌汁をすすっていたが、味わう前に吐き出した。 「ギャッ、汚い。何してんの?」 「お前が予想外な事、急に話始めるからだろ!!」  いや、まぁ、その顔だったら予想外ではないのか?。  布巾でテーブルを拭く俺を無視して倉橋は話を進め出す。 「・・・この学校には、中学校の時に入ったんだ。なんとか卒業生の叔父さんに頼んでもらって。いくら男のっぽく振舞おうって思っても、体育の時間とか一緒に着替えるのとかすごく嫌だし。女の子の裸が載った写真を一緒に見て騒いだりとかできないし。前の中学校では・・・いわゆるいじめみたいな。だから、この学校に転校してきたんだ」  えっ、この話って俺が聞いていい内容なわけ?。  突っ込みどころがわからず俺はただ黙々と定食を駆逐していく。 「この学校って男子校じゃない。だからそういうの多いの有名だし」 「そいうのって?」 「知らないの?」  倉橋は目を見開く。 「何だよ」 「意外、この学校の事何も知らずに外部から入ってくる人」 「悪かったな」  俺だって公立高校行く予定で、急遽この学校になったから興味もなかったわ。
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