第1章

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 食堂の入口は2つあり、一つは教室側から来れる入口とC棟と呼ばれる棟から続く廊下の入口だ。C棟は因みにcomputer(コンピューター)棟という意味合いがあり、それぞれの目的でパソコン系の機器が揃った部屋が多数ある。  騒がしくなったのは教室と繋がっている方の入口だ。  皆の視線は一人の男に注がれている。  俺はその顔を知っていた。 「わっ、珍しい。副生徒会長だ」 「えっ、あいつ副生徒会長なの?」 「えぇっ、高野知ってるの?」  倉橋は俺が副生徒会長を知っているのが、事のほか意外だったようだ。  知っているも何も、昨日告白現場にい合わさせ、おまけに俺の鼻水をくっつけてやった北村だ。  俺でさえ初めてあった時は凝視せずにはいられなかったのだから、同性を恋愛対象にするやつらは憧れずにはいられないのだろう。  まるで芸能人が食堂にやってきたようだ。
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