第1章

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 その中には寮と、学校、施設が併設されているが、そのどれも煌びやかだという話だ。  今、その門を俺は潜ろうとしている。 「えっと、確かこのボタンを押すんだっけか」  門の手前にある機械のボタンを押す。 『私立秋山学院です。ご要件をお伺いいたします』  綺麗な女の人の声がスピーカーから流れた。 「あー、今日から通います高野(たかの)といいます」  花粉症で鼻声になっている上にマスクをしているので、話しづらい。 『かしこまりました。事前にお渡ししていました認証カードを右側に挿入お願いいたします』  金持ちが多いせいかセキュリティが面倒くせぇ。  だが、これを通さなければ中には入れない。  生徒手帳に挟んであったカードを取り出し、言われた通り入れる。 しばらくお待ち下さいと液晶パネルに表示が出て、3分後に門が重い腰を上げた。  
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