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その北村が食堂内を見回す。
目があった。・・・・・・気がするのは俺の気のせいだろうか。
「わっ、こっち見てる」
まさか、昨日のお礼参り的な何かとかか。精神的ダメージに対する慰謝料?。それとも、同じ屈辱を味あわせてやる的な・・・・。いやいや、副生徒会長なんぞやっているんだから懐のでかい奴に決まっている。そんなちっちゃな事で名も知らぬ生徒を探したりはしないだろう・・・、多分。
「なんか、こっちに来るよ!」
驚いている倉橋の声が、俺の右耳から入って左へ受け流せない。
「用事思いだしたわ。倉橋、これ片しておいて」
「は?、え、ちょっと。最悪」
「友達なんだろ」
「えっ、認めてくれるの?」
「じゃぁなっ」
俺は混雑している食堂内を、自分でも驚く程器用に避けながらC棟の入口に向かって走った。
嫌な予感しかしない場所にわざわざ留まる事はない。とりあえず逃げといて俺に損はないはずだ。
学校ついてから、毎日逃げている気がするのは、俺の気のせいだろうか・・・?。
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