第2章

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「何言ってるの、この学校に来るメリットの一つなんだから。ただ・・・」  倉橋の顔が少し陰った。 「ただ?」 「あんまりお近づきになりすぎると、まぁ、そういう会の人たちの制裁が待ってる」 「そういう会」 「まぁ、いわゆるファンクラブみたいな」 「は?」 「生徒会の人達って文武両道、才色兼備な人たちが多いから、娯楽がないここじゃぁ、憧れの存在なんだよ。ファンクラブの人たちを差し置いて行動すると、面倒ってこと」 「ようするに近づかない方がいいっていう忠告か?」 「そういう風に捉える場合もあるかも」 「近づきたくねー」 「それでも、メリットはあるからね。でも、ファンクラブの人が変な行動に出る生徒を抑えてくれるから、生徒会の人々もファンクラブを見逃してるっていうのもあるけど」 「ご忠告ありがとーよ」 「で、副生徒会長は北村蓮っていう、あのお昼の食堂の人。俳優の北村誠一と女優の吉行夏子の息子なんだよ」 「えっ、マジで。吉行夏子、こんなでけー息子いるのか」  あのオーラと完璧なスタイルはさすが俳優の子供ってところか。生まれながらに人を惹き付ける能力が備わっているとは、恐ろしい。
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