第2章

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 もしかして、もしかしなくても運んでくれるってやつですか。  そんな、親切なんてあなたの辞書に載ってるんですか?っていう顔して?  ギャップありすぎるだろ。  勝手にダンボールを持って行ったのは向こうだが、それじゃぁ、よろしくお願いします。はい、さよなら・・・。なんて、俺のなけなしの良心が痛む。ので、しょうがなく奴の後ろについて歩いた。  それを、ツーブロックは目線だけで確認し、黙って歩き出す。  見た目のギャップに驚きながら俺は何度も後ろからチラ見した。  よくよく見ると、眉間に皺を寄せて、その背の高さから見下ろされるからおっかない印象が先立ってしまうが、実は意外にこいつ綺麗な顔をしているんではないだろうか。  シュッと尖った顎にバランス良く収まった目鼻立ち、意志の強さを伺わせる眉毛。  笑え、まで言わないが眉間の皺をなんとかしてもらったら、第一印象は随分違ったものになったはずだ。  少なくとも俺は怯えずにすんだと思う。・・・ほっぺたを叩かれたとしても。  そんな事を思っていると、視聴覚室に着いた。 「どこに置くんだ?」 「あー・・・、適当にそのへんの机でいいと思います」  どこに置いたって支障はないだろ。俺のじゃぁねーし。 「えっと、なんだかすいません。運んでもらって」 「いや、ちょうどお前と話したいと思っていた」 「は?」  俺とお前で何を話す事があるというのだ。あの、ほっぺた叩いた言い訳か?。
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