第2章

8/47
前へ
/340ページ
次へ
「この学校に入学した目的はなんだ?」  目的?目的とおっしゃいました?。それはまるで、俺がこの学校に自分の意思で入学したような言い方だ。  俺はとりあえず無事この学校を卒業さえすればいいのだ。そんな目的だと急に聞かれたとしても、即答出来る答えなど持ち合わせていない。  更に、ほぼ初対面と言っていいほどの相手に『入学した目的』なんて聞くか、普通。 「・・・目的なんてないですよ」  質問の意図を図り兼ねて、伺うようにツーブロックを見上げる。   「言い方が悪かったか?、この学校に入学した理由は?」 「別に理由なんて、健・・父親にこの学校に入学するように言われただけですが」 「・・・まぁ、いい。お前、父親の事をどこまで知っている?」 「さっきから何言ってるんだ、あんた。意味がわかんねーよ」  先が見えない質問にイライラした。先輩だったが、イライラが先立って敬語も忘れた。  だが、相手も答えを持たない俺にイライラしているのか、嘆息を洩らす。  そして、思いもかけない名前をツーブロックは口にした。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1811人が本棚に入れています
本棚に追加