第2章

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「桐島晴人(きりしまはるひと)」 「・・・・お前の目的こそ何なんだ」  桐島晴人・・。  俺はよく知っている。俺の親父だ。  親父は俺が物心着く頃からほとんど、家にはいなかった。遊人だから、仕事が忙しくて、とかではない。  親父は夢を追っていた。そんな親父をお袋は好きだった。いくら貧乏だからって親父の夢の為に泣き言ひとつ言わなかった。そんな親父をお袋を俺は大好きだった。  4年前に死ぬまでは。  だが、その親父の名前が何故今出てくるのか。こいつは何者なのか?。  睨みあったのはほんのわずか。 「・・・っ」  俺は肩を掴まれ、横のコンクリートの壁に打ち付けられていた。顔の横をドンっと左手で壁を叩く音が聞こえた。顔を殴られるかと思って、一瞬目を閉じた。  目を開けた時には、奴の顔は毛穴まで確認出来るんじゃないか、と思うほど近距離だった。  図らずとも、これは世に言う壁ドンか?。非常に嬉しくない壁ドンだ。  なんて、少し余裕をこいてたことを後悔する。 「お前、何を隠している」  通常運転で眉間に皺を寄せているが、更に際立って眉間の皺が増えている。  目がこえーよ。  やべー、これ勝目ねー。  というか、何故俺はこのような状態に。もうお家、帰りたい。  俺は何に追い詰められてるの?。身の覚えがなさすぎて、言い訳も出来ない。
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