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「ふざけたメガネしやがって」
とうとう理不尽な文句も飛び出した。
押さえつけられていた肩の手が緩んだかと思ったら、メガネを奪われた。
周りの景色がぼやけ、目の前にあるツーブロックの顔だけしか見えない。逆にだからこそツートップの顔が鮮明に目に焼き付く。
もう、俺高校生活終わった。ヤンキーみたいなのに目をつけられて、これから下僕として暗黒の高校生活、こんにちは?。
こんな時でも、鼻水は滴ってくるし。
今後の行き先を悲嘆していると、さっきまで凄んでいたツーブロックが顔はそのまま静止している。
行動に移されても困るけど、このままこいつの顔を延々見続けなければいけないのも嫌だ。
「おい」
おっかないが、現状を打破すべく声をかける。
「・・・何故、顔を隠している」
「あ?」
「顔を隠しているんじゃないのか?」
「ホント、さっきから意味わかんねーよ。俺はこの距離じゃなきゃお前の顔もまともに見えねーぐらい、目は悪いし、マスクだって花粉症なんかじゃなきゃ、つけねーよ」
さっきまでのおっかないオーラはどういう理由なのか、もう消えていた。少しホッとして俺は近すぎるこいつを右手で軽く押しのける。
抵抗はしなかった。
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