第2章

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「メガネ」 「何だ?」 「俺のメガネ、返せよ」 「あ、あぁ」  理不尽な壁ドンの時の雰囲気は嘘のようだ。  俺はやっと戻ってきたメガネを定位置に戻し、クリアになる視界に安堵する 。 「高野、メガネとマスクは外すな」  今度は更に意味不明な忠告を受ける。 「外したくても外せねーよ」 「なら、いい」  ツーブロックはやっと俺から離れてくれた。 「悪かった、お前は本当に知らないようだ」  何が?問う前にツーブロックは続ける。 「またな」  俺の肩を2回親しげに叩くと、背を向け俺から遠ざかる。  俺はぽかんとそれを見送るだけだ。  いや、下手に声かけてまた壁ドンされても困るしな。  あれ?、何であいつ俺の名前知ってるんだ?。しかも、またなって言ってたよ。また会う気かよ。勘弁してくれ。  とりあえず、また関わりたくないやつが増えた。
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