1811人が本棚に入れています
本棚に追加
「メガネ」
「何だ?」
「俺のメガネ、返せよ」
「あ、あぁ」
理不尽な壁ドンの時の雰囲気は嘘のようだ。
俺はやっと戻ってきたメガネを定位置に戻し、クリアになる視界に安堵する
。
「高野、メガネとマスクは外すな」
今度は更に意味不明な忠告を受ける。
「外したくても外せねーよ」
「なら、いい」
ツーブロックはやっと俺から離れてくれた。
「悪かった、お前は本当に知らないようだ」
何が?問う前にツーブロックは続ける。
「またな」
俺の肩を2回親しげに叩くと、背を向け俺から遠ざかる。
俺はぽかんとそれを見送るだけだ。
いや、下手に声かけてまた壁ドンされても困るしな。
あれ?、何であいつ俺の名前知ってるんだ?。しかも、またなって言ってたよ。また会う気かよ。勘弁してくれ。
とりあえず、また関わりたくないやつが増えた。
最初のコメントを投稿しよう!