第2章

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 出来上がったラーメンをリビングのテーブルに持っていって、ソファーとテーブルの間の床に座りこみ、一気にすすりこむ。  マスクは部屋の中だと花粉がそんなに飛んでいないので、部屋に置いてきてある。  伸びていても、うんまい。  これこれ、この味。  落ち着くわー。 「おい」  口いっぱいにラーメンを頬張っていると、初対面から見かけていなかった佐倉が部屋から出てきた。 「ふぁい、ふぁんでひょう」  すまん、口にいっぱい入っているので佐倉に伝わっているか定かではないが、「はい、なんでしょう」と俺は言った。 「さっきから、うるせーんだよ」 「・・・・すいません」  久しぶりに顔を見たと思ったら苦情だった。 「・・・どっからそんなもん持ってきた」  佐倉の視線は、俺が吹きこぼしてまで作った屋台十八番に向いている。 「えっ、荷物と一緒に宅配で」 「へー」 「え、何食べたいの?」  うん、とは言わなかったが黙って俺の隣に座りこんだという事は、食べたいのだろう。俺は食べかけのどんぶりを佐倉の横にずらしてやった。佐倉は黙ってどんぶりに残っているラーメンをすする。  本当にツンデレだな。身長はでかいので可愛くはないが。
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