第2章

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「ほら、これで・・・・」  メガネ拭き終わった佐倉が俺にメガネを渡そうとして、動きが止まった。 「あ?」  メガネを受け取ろうとして佐倉がそれ以上腕を伸ばさなかったので、タイミングが合わず俺の右手はからぶった。 「なんだよ」  ぼやけた視界で佐倉を見上げる。 「お前・・・メガネとのギャップが激しすぎるな」 「人の顔見てどういう感想だよ」 「いや、お前・・・わざと顔、隠してるのか?」 「はぁ?またそれかよ。目が見えてたら、今、からぶってねーわ。顔隠す意味もわからねーし。花粉症なめんなよ」  俺の顔のどこが人様に隠してあるかなきゃいけない顔なのか。ツートップも同じことを言われた分、ムカつき度も倍増だ。 「お前、自覚してねーのか」 「なんだよ、意味がわからねーし」 「・・・知らねーだけか」  なんだか、一人で納得したような佐倉に若干イラつきを覚える。 「お前、この学校のホモ率知ってるか?」 「あ、あぁ、半分は同性愛者なんだろ」  急に話題を変えてきた佐倉にイラつきをぶつける先を失って、素直に答えてしまった。
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