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そもそも何故こんなところに俺が通う事になったのか。
本来なら、近くの公立高校に通う予定だったのだ。
それが、継父、健(たける)の一言で自体は一変した。
「よーし、これから海外で暮らすぞー」
は?
いつもより張り切って作られた夕飯を前にし、母、健、妹、弟、俺。
「お父さん、ずっとワイナリーの仕事がしたかったんだ、フランスにいいところ
があってだな」
「いやいやいやいや、何を寝ぼけているんですか、オトーサン」
「やだな、伸一ちょっと怖いぞ」
1年前におふくろは再婚した。それまで、女手一つで俺や妹、弟を養い、苦労してきたが、この継父により生活はがらりと変わった。
別に反対はしていないし、俺も嫌いではない。良好な関係を築いてきたはずだ。
「お前を置いていけないだろ、だからみんなで移住するんだ」
「いや、無理っしょ。何をいってんだ。英語も仏語も話せませんよ。俺に過労死しろっていうのかよ」
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