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一度聞いたら忘れられない艶のある低音が鼓膜を震わせる。俺は散々、倉橋や佐倉から生徒会に関わったら恐ろしいと説明された上、こいつには鼻水をぶっかけたという前科がある為、鼓膜だけではなく肝っ玉も震えた。
「そ、それは俺に言っていますか?」
横で微笑まれたような気配が伝わってきた。その瞬間食堂内のざわめきが一層強くなる。
「君以外に誰がいるのかな?」
「で、ですよねー。えーと・・・こんな地味な僕になんの御用でしょうか?」
出来るだけしおらしい事を言ってみる。もう既に後の祭りのような気もするが。
「一度じっくり話をしてみたいと思っていたんだが、前回走って逃げていったのはわざとかな?」
やっぱ、あの時目があったのは気のせいではなかったのだ。
横目で北村をチラ見するとびっくりする程の微笑みでこちらを見ている。
あ、いろいろ終わった。
「いえ、あれは・・・・突然どうしようもなくウンコがしたくなって。やっぱり、高校1年生にもなってウンコを漏らすのはどうかと・・・・いうことで走ってトイレに」
「その割には走っていった方はトイレ大分遠いけど」
なんだ、これは。尋問か?。何で俺はまた追い詰められてんだよ。
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