第2章

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「へ、へー」  ガス抜きってやつ?。だが、優勝特典は確かに美味しいかもしれない。まぁ、特に同室の佐倉がキテレツなやつではないので、必ずしも欲しい特典ではないが。 「高野伸一、最初に言った通り、一度話をしたい」 「いえ、僕はありません!」  わざと一人称を僕にして、全力で否定した。いや、ほら僕って言った方が印象いいでしょ。 「生徒会の噂を聞いた事はあるか?」  相変わらずの笑顔だが、その口元から発せられる言葉は冷気を感じる。 「・・・」 「副生徒会長の誘いを断った事がわかったらどうなるだろうな」  あぁ、いつぞやは懐のでかいやつだよ!と楽観視していた自分がにくい。 「選択権は無いというやつですね」 「そう解釈してもらっても構わない。放課後、生徒会室で待っている」  俺の返事は聞かずに、立ち上がると現れた時と同様周囲のざわめきを浴びながら食堂から去っていった。  残ったのは食堂の生徒たちの好奇の視線と、右肩の痛みだけだ。
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