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「でもでも、もとはといえば、あいつがマスクを取ろうとするからいけないんだって。俺がわざわざ見ず知らずの男に鼻水ぶっかけに行く程、頭わいてねーから」
「そんなん、通用したらいいけどな」
あ、突き放された。
「で、これからどこへ行こうとしてるわけ」
佐倉はため息をつきながら俺を見下ろす。
「・・・・生徒会室」
「はぁ?」
「呼び出しですよ。行っても行かなくても八方塞がりですよ」
「あー・・・、頑張れよ」
所詮他人事。
「俺が生きて戻らなかったら、俺の屍を拾ってくれ」
「おー、焼却炉にくべてやるわ」
「ひどいっ」
慰めの一言もくれない佐倉に背を向け、俺はまた生徒会室に足を向けた。
「伸一、後で報告しろ」
俺の背後で佐倉が言った。
俺は振り向かずに「おー」とまた力なく右手をあげ、そのまま歩き出す。
今まで佐倉からずっと「お前」でしか呼ばれていなかったが、今「伸一」と名前で呼ばれた。
親密度がレベル3に上がった。
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