第2章

31/47
前へ
/340ページ
次へ
「はは、そうだな。すまない、人を探していたんだ。もしかしたら顔を隠している可能性があったから、君かと思って確認したかったんだが、違った」 「メガネも目が悪いだけなんで。ご期待に添えるような顔じゃないです。少女漫画的な何かは起こりません」 「あぁ、俺の探している人物はもう少し品のある人物だった」  さらっとディスられたが、何も言えねえ。 「高野は佐倉智充と同室だったな」 「はぁ」  佐倉?。鼻水ぶっかけた事じゃないのか?。 「今の所、調べた結果高野が一番佐倉と親しいようだから、頼みがある」 「いえ、そんなに親しくありません」  何日も同じ部屋に住みながら、名前を呼ばれたのはついさっきです。やつ、ツンデレなので。まぁ、ラーメン食った日からはそこそこ話すようになったが。 「顔に鼻水やら唾をかけられたのは初めての経験だったよ。やはり気分がいいものではないな。あの後・・・」 「やっぱり、ちょっと話すぐらいの仲です。もしかしたら見る人にとっては親しいかもしれません」  鼻水の件を出されて、俺はすぐに訂正をいれた。そうだった、俺に拒否権はなかったのだった。親しいように見えたのなら、それが正しいのだ。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1811人が本棚に入れています
本棚に追加