第2章

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「けど、もう既に佐倉は断っているんですよね?。そんな無理して引き込むより、もっとそこそこ仕事が出来てやる気のある奴なんていっぱいいるんじゃないんですか?」 「やる気も仕事も出来ても生徒に認められるカリスマ性がないと意味が無いんだ。この学校に通う生徒はプライドが強く、自己主張が強いのが多い。育ちのせいなんだろうけれど、そこをまとめあげるには従わせる必要がある。教師ですら見下している生徒も多い中、ただの出来すぎ君じゃぁ、務まらない」 「・・・いろいろ苦労されていらっしゃるんですね」  話を聞いているだけで、大変さが伝わってきて思わず同情してしまった。 「分かってくれるなら、協力してくれ」 「どうせ、拒否権なんてないんですよね」 「あくまで、俺は協力をお願いしているだけだ。断られるのは辛いが、高野がやりたくないというのならそれも尊重しよう。ただ、その後どういう学校生活になるのだろう、と心配にはなるかな」 「いや、だからそれ、拒否権ねーだろ」  思わず、突っ込む。 「君は割と口が悪いみたいだね」 「あ、すいません」  やべ、つい地が出ちまう。 「あまり普通に接してくれる人間も周りには少ないから新鮮でいいよ。敬語も使わなくていい」 「はぁ」 「説得の方法は高野のしやすい方法で。親しいものから生徒会に入るのをお願いされれば心が揺らぐかもしれない。後日結果を聞こう」 「変な期待されても落胆するだけだからな」 「期待しているよ」  だから、期待すんなって言ってんだろうが。
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