第2章

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 これ以上突っ込んでも無意味だと思った俺は、ソファから立ち上がった。 「これで要件終わったんだよな?。帰ってもいい?」 「あぁ、構わない」 「茶ぁ、ごちそうさま」  そう言って俺は大股で扉まで近づきドアノブに手をかけた。  ノブを回そうとした瞬間、勝手にドアノブが回転し扉が俺の目の前に押し出される。 「あぶねっ」   顔をぶつけそうになって慌てて後ろに下がった。 「・・・誰?」  扉から現れた男が俺を見下ろす。どいつもこいつも身長たけーな。  こいつも生徒会の人間なんだろうか。  北村もそうだが、第一印象ははっと息を呑む程の整った容姿をしている。マッシュボブの髪型は艶やかな黒髪もあってか、目の前の容姿の男に非常によく似合っていた。 こいつも自分が一番似合うものを熟知しているのだろう。左耳にはいかにも高級そうなリングピアス、着崩した服装は少し気だるげな印象も与える。ネクタイをしていなかったので、何年生かはわからなかった。 「邪魔なんだけど、どけてくれない?」 「あ、すいません」  慌てて俺は横に退く。 「なんで、一般生徒が生徒会室にいるわけ?」  どけた俺の横をすっと通りすぎると、そいつは北村に向かって問いかけた。 「俺の客だよ」 「・・・あっそ。別にいいけど」  それから俺に顔を向ける。 「用事がすんだんなら、早く帰れば?」  すげームカつく言い方だ。 「言われなくてもそのつもりだよ」  非常にムカついたので、扉を乱暴に閉め、俺は生徒会を後にした。
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