居酒屋 輪

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「あら、いらっしゃい。お久しぶりね」 年季の入った暖簾をくぐり、磨りガラスのドアを開ければ、艶のある声が出迎えてくれる。 「今日は1人?だったらカウンターにどうぞ」 席に座れば、人肌より熱いおしぼりが絶妙なタイミングで出された。 「まずはビールで良いかしら?」 よく冷えたジョッキにビールがつがれ、きめ細かな泡がたぷんとゆれた。 「お疲れ様でした。久しぶりの再会を祝して、かんぱーい」 妙齢な女将の名は、凛。 ココ浅草で居酒屋をひっそりと営む。 客はクリエイターばかり、今夜もニュースや悩みを抱えたクリエイターが集る。
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