125人が本棚に入れています
本棚に追加
/375ページ
「あら、いらっしゃい。お久しぶりね」
年季の入った暖簾をくぐり、磨りガラスのドアを開ければ、艶のある声が出迎えてくれる。
「今日は1人?だったらカウンターにどうぞ」
席に座れば、人肌より熱いおしぼりが絶妙なタイミングで出された。
「まずはビールで良いかしら?」
よく冷えたジョッキにビールがつがれ、きめ細かな泡がたぷんとゆれた。
「お疲れ様でした。久しぶりの再会を祝して、かんぱーい」
妙齢な女将の名は、凛。
ココ浅草で居酒屋をひっそりと営む。
客はクリエイターばかり、今夜もニュースや悩みを抱えたクリエイターが集る。
最初のコメントを投稿しよう!